『リピーティング』について、正しいやり方・効果など徹底解説します。
お手本となる英語の音声に続いて、自分も一緒に発声するトレーニングには
- リピーティング
- オーバーラッピング
- シャドーイング
など、いくつか種類があります。どれも厳密には異なる練習方法なので
リスニング力・スピーキング力など、鍛えられるスキルも異なってきます。
そこで今回は「英語のリピーティング」について、正しいやり方や注意点
オーバーラッピングやシャドーイングとの違いなど、詳しく解説します。
無料で使える、リピーティングのおすすめ教材もいくつか紹介するので
練習方法を理解した後は、実際にリピーティングに挑戦してみてください。
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【意味】そもそも英語のリピーティングとは?
それではまず「リピーティングとはどんな練習方法なのか?」解説していきます。
次でシャドーイングとの違いも紹介するので、合わせてチェックしてくださいね。
(リピーティング)音声を一時停止し発声
そもそもリピーティングとは、お手本となる音声を一つの区切りまで聞いた後に
音声を一時停止し、音声と同じようにマネして発声する練習方法のことを言います。
中学/高校の英語の授業で、先生が"Repeat after me."と言い、英文を一通り読んだ後
生徒が復唱する練習を一度はやったことがあると思いますが、あれが「リピーティング」です。
【音声】I always play baseball.
【自分】( )I always play baseball.
リピーティングの特徴として「①お手本となる音声」と「②自分が発声する」タイミングに
"間(ポーズ)が入る"という点を覚えておいて、シャドーイングの違いを見ていきます。
英語のリピーティングとシャドーイングの違い
それでは次にリピーティングと、シャドーイング・オーバーラッピングとの違いを解説します。
それぞれの練習方法が混同しないように、注意して理解しておいてくださいね。
(シャドーイング)音声に少し遅れて発声
お手本となる音声を一通り聞いて、その後に自ら発声する「リピーティング」とは異なり
「シャドーイング」はお手本の音声を聞いたら、1~2語遅れて"瞬時に"発声する練習方法です。
【音声】I always play baseball.
【自分】( )I always play baseball.
shadow(=影)のように音声についていくので、shadowing(=シャドーイング)と言うのですが
シャドーイングは通訳を目指す方も取り組んでいる、多少難易度の高いトレーニング方法です。
(一時停止せず)ひたすらお手本の音声についていく練習が「シャドーイング」と覚えておきましょう。
※より詳しくは>>『英語のシャドーイングとは?効果・やり方』をご覧ください。
(オーバーラッピング)音声と同時に発声
最後に「オーバーラッピング」は、お手本となる"音声と同時に"発声する練習方法です。
overlap(~を重ね合わせる)という英単語の意味の通り、お手本の音声にかぶせるように
自ら発声していくのですが、オーバーラッピングは音声の原稿(スクリプト)が必要になります。
【音声】I always play baseball.
【自分】I always play baseball.
基本的に①リピーティング→②オーバーラッピング→③シャドーイングの順番で取り組めば
一番効果の高いシャドーイングを、挫折することなく練習できるのでおすすめしています。
※より詳しくは>>『英語のオーバーラッピングとは?効果・やり方』をご覧ください。
まとめ
リピーティング:英語音声を聞いて一時停止し発声する
シャドーイング:英語音声から1~2語遅れて発声する
オーバーラッピング:英語音声と同時に発声する
【メリット】リピーティングの効果2つを紹介
それでは次に「リピーティングで得られる効果」について解説していきます。
次で「シャドーイングで得られる効果」も紹介するので、比較していきましょう。
「英文の内容理解力」がアップする
リピーティングの練習で得られる一番の効果は「英語の内容理解力の向上」です。
と言うのもリピーティングは、お手本の音声を聞いてから→自分が発声するまで
"タイムラグがある"ので、英文の内容を理解するのに十分な時間が確保されています。
例えば英文中で使われている「英単語」や「英文法」などを、頭の中で理解した上で
繰り返し発声練習していくので、英語特有の発音やイントネーションだけでなく
単語や文法が持つ「意味」を、頭の中にインプットしやすくなるというわけです。
これはシャドーイング・オーバーラッピングにはない、リピーティングのメリットと言えます。
(英語の)短期記憶が鍛えられる!
またリピーティングは「英語の短期記憶力の向上」にも役立つトレーニングです。
リピーティングはお手本となる音声を聞いた後、頭の中に残った記憶だけを頼りに
自ら発声する練習方法であるため、"英語の短期記憶力"を鍛えるにはとても効果的。
例えば英会話であれば相手の話す内容を、一時的に記憶しておくのに役立ちますし
他にもTOEICのリスニング問題でも、短い英文を聞いた後に質問に応える問題もあるので
そのような「直前に聞いた英語の情報を一時的に覚える練習」に、リピーティングは役立ちます。
【違いあり】シャドーイングの効果3つを紹介
それでは次に「シャドーイングで得られる効果」について詳しく解説します。
シャドーイングの練習には
- 音声知覚の強化
- 瞬間発話力の強化
- 英語発音の改善
の大きく分けて3つの効果が期待できます。
(リスニング)音声知覚力を鍛える!
まずシャドーイング練習は"音声知覚"が強化されるので、リスニング力UPに効果的です。
そもそも私たちは英語でも日本語でも同様ですが、耳で何か言葉を聞いた後
「音声知覚」→「意味理解」という2つのステップを踏んで、言葉の意味を理解します。
英会話の勉強をしている人がまず最初に躓きやすいのが、最初の"音声知覚"の部分で
音声知覚のスキルがないと「相手が何を言ってるか分からない」という状態になります。
シャドーイングでは意味の理解は一旦後まわりにして、とにかく聞こえた英語を
瞬時に正確に発声する練習なので、繰り返し練習すれば「音声知覚」が鍛えられます。
リピーティングは音声を聞いた後、内容を理解する時間が与えられるので「意味理解」が鍛えられます。
シャドーイング:音声知覚の練習
リピーティング:意味理解の練習
ですので
「ネイティブの話すスピードが速すぎて何を言ってるか分からない。」という方には"シャドーイング"
「ネイティブの話を記憶→理解するのに時間がかかる。」という方には"リピーティング"がおすすめです。
(スピーキング)瞬間発話力を鍛える
またシャドーイングはお手本の音声に、ピッタリついていくトレーニング方法であるため
ネイティブと同じスピードで話す練習を繰り返すことで「スピーキング力UP」にも効果的です。
シャドーイングは非常に高度な発声練習なので、最初はついていくのが大変ですが
リピーティング・オーバーラッピングで、事前練習をしておくとスムーズです。
(特有の)発音・イントネーション
またシャドーイングは英語音声の聞こえた通り、正確にマネする必要があるので
英語特有の「音のつながり」「抑揚」「アクセント」に慣れる効果も期待できます。
これは音声を一時停止して、その後に発声する"リピーティング"では得られない効果ですね。
このようにシャドーイングには「発音矯正」のメリットもあるため、取り組む際は
棒読みするのではなく、ネイティブの音声を正確にコピーするようにしてくださいね。
【学習手順】リピーティングの正しいやり方!
それではリピーティングを活用した「効果的な学習方法」について解説していきます。
私のブログ"英語CAN.com"では、オーバーラッピングやシャドーイングも活用して
- リスニングテスト
- 英単語チェック
- スクリプトチェック
- リピーティング
- オーバーラッピング
- シャドーイング
の6つのステップで、発声練習に取り組むことをおすすめしています。
(Step1)まずリスニングテスト
まず最初のステップは、お手本となる音声を一通り聞いて「リスニングテスト」に挑戦します。
この時点では内容を完璧に理解する必要はないですが、可能な限り英文を聞き取ってみましょう。
「(お手本となる)音声教材の選び方」については、後ほど詳しく紹介します。
(Step2)英単語・文法を調べる
そしてリスニングテストの後は、英文中で疲れている単語・文法を確認しましょう。
単語や文法の意味を理解していないまま、リピーティングに挑戦しても意味がないので
特に自分が知らなかった英語表現については、スマホで調べるようにしてくださいね。
(Step3)英文のスクリプトを確認
英単語・英文法を調べ終わったら、改めて英文全体(スクリプト)をチェックします。
最初リスニングテストで、聞き取れなかった部分については必ず確認をしましょう。
手元に原稿があった方が学習をスムーズに進められるので、リピーティング用の教材を選ぶ時
「音声+スクリプト」がセットになっているものを、活用するのがおすすめです。
(Step4)リピーティングに挑戦
そして、いよいよ「リピーティングに挑戦する」ステップに入っていきましょう。
基本的には「.(ピリオド)」がある、文章と文章の切れ目で音声を一時停止して
正確に復唱していく流れで問題ないですが、初めて挑戦する英語初心者の方であれば
「接続詞」「,(カンマ)」「チャンク(英語の意味のかたまり毎の区切り)」などで
適宜一時停止して、リピーティングする方法でも問題ないので調節してみてください。
(Step5)オーバーラッピングに挑戦
リピーティングで音声を一時停止して、真似して発声する練習に慣れてきたら
次は"音声と同時に"発声する、オーバーラッピングにも是非挑戦してみましょう。
オーバーラッピングに取り組むときは、スクリプトを見ながら発声していきます。
英語の「音のつながり」「抑揚」「アクセント」を意識するのがポイントですね。
(Step6)シャドーイングに挑戦
最後に仕上げとして、音声から1~2後遅れて追いかける「シャドーイング」をやってみましょう。
シャドーイングは多少高度な練習方法ですが、リピーティング・オーバーラッピングで
音声に慣れておけば、英語初心者の方でもスムーズに発声練習できると思います。
シャドーイングに関しては、特に"音声を正確に聞き取る"ことに意識を集中させて
ネイティブの発音の通りに正確にマネする、ということを覚えておいてくださいね。
【上手くできない】リピーティングの注意点!
それでは次に「リピーティングを行う上での注意点」について解説をします。
教材選びなどいくつか注意点があるので、取り組む前に確認してみてくださいね。
スクリプト(原稿)は見ずに挑戦
まずリピーティングに関しては、スクリプト(原稿)は見ないで練習をしてください。
スクリプトを見ながらだと単なる"音読"になってしまうので、耳からの情報だけで
英文の内容を把握しつつ、お手本の音声をマネして、正確に発声していきます。
(難易度)最初は短い英文を選ぶ
次に教材選びに関しては「難しすぎる英文」を使うのはNGなので注意しましょう。
リピーティングやシャドーイングに活用する教材は、読めば簡単すぎるくらいの難易度でOKです。
目安として最初のリスニングテストで、7~8割くらい内容を理解できるくらいがおすすめです。
「難しい英文=上達するスピードが速い」わけではないので、教材の難易度に関しては
最初で挫折することがないように、初心者向けのものを選ぶようにしてくださいね。
「ネイティブ音声」の教材を選ぶ
そして、リピーティングは"発音をそっくりマネするトレーニング方法"なので
英語特有の「音のつながり」「抑揚」「アクセント」を身につけるために
ネイティブスピーカーの音声が収録されている教材を選ぶようにしましょう。
また語学留学など明確な目的がある方は、アメリカ英語やイギリス英語など
学習する目的に合わせて、活用するネイティブの音声を選ぶようにしてください。
「スマホで録音」して聞き比べる
そして少しずつリピーティングに慣れてきたら、スマホの録音機能などを使って
リピーティングしている音声を収録し、ご自身で聞いてみるのもおすすめです。
自分の音声を客観的に聞いてみると、実際は上手く言えていない箇所も見えてきたりと
新たな改善点が見えてくることもあるので、定期的に録音し振り返りをしましょう。
【アプリ】リピーティングのおすすめ教材4選
最後に、英語のリピーティングやシャドーイングの練習に活用してほしい
「おすすめ教材」をいくつか紹介するので、是非実際に挑戦してみてください。
(無料で使える)美女シャドーイング
まず英語初心者の方におすすめしたいのが、完全無料の『美女シャドーイング』です。
美女シャドーイングは人生・恋愛・ビジネス・人間関係など、様々な名言を活用して
シャドーイングの練習が出来るWeb教材なのですが、リピーティングにも活用できます。
美女シャドーイングの動画教材は、
- リスニングテスト
- 語彙チェック
- スクリプトチェック
- 再度リスニング
- オーバーラッピング
- シャドーイング
の大きく6つのステップに分かれており、英単語の解説コーナーもあります。
更に使用される英文は比較的簡単で、短い文の意味のかたまり(=チャンク)で
区切られているので、初心者の方でもリピーティングに挑戦しやすいと思います。
種類 | Web教材 |
入会金 | 無料 |
月額料金 | 無料 |
得意分野 | 日常英会話 |
おすすめ | 英語初心者の人 |
詳細 | 公式サイト |
(初心者向け)スタディサプリENGLISH
続いておすすめしたいのが、CMでもお馴染みリクルートの『スタディサプリENGLISH』。
スタディサプリENGLISHは有料のスマホアプリですが、リピーティング・シャドーイング以外にも
英単語チェック・英文法の解説動画・ディクテーションなど、とにかく英語学習に役立つ
機能を豊富に搭載しており、日常英会話・旅行英会話を身につけたい方にはピッタリです。
全レッスンがドラマ仕立てになっており、ストーリーが全て繋がっているので
展開を楽しみながら取り組めるのも、スタディサプリENGLISHの魅力と言えます。
「7日間は無料で使える(※無料期間は申込日を1日目とし
種類 | スマホアプリ |
入会金 | 無料 |
月額料金 | 2,178円 |
得意分野 | 旅行英会話 |
おすすめ | 英語初心者の人 |
詳細 | 公式サイト |
(アプリ)VOA Learning English
またビジネスマンの方であれば『VOA Learning English』もおすすめですね。
VOA Learning Englishは様々な海外ニュースの動画を、音声字幕付きで視聴できる
スマホアプリなのですが、音声速度の調節など便利な機能が搭載されています。
基本的にニュース動画は毎日更新されるので、同じ教材を使って飽きることなく
更にアメリカの時事問題について知識を深められるのは、利用するメリットと言えます。
種類 | スマホアプリ |
入会金 | 無料 |
月額料金 | 無料 |
得意分野 | ビジネス英語 |
おすすめ | 世界の時事情報に興味がある方 |
無料体験 | iOS・Android |
(本)音読パッケージトレーニング
最後に参考書を活用したい方は『音読パッケージラーニング』がおすすめです。
音読パッケージラーニングは、テキスト+付属CDがセットになっている参考書で
音読→リピーティング→シャドーイングを、全て実践できる構成になっています。
音声CDは、リピーティング用に「間(ポーズ)」も入ってるのでとても便利でした。
この書籍で使用される英文は、中学レベルの英単語・英文法に制限されているので
英語に対して苦手意識のある方でも、始めやすい参考書だと思います。
【おすすめ】リピーティング→シャドーイング
ここまで「リピーティングのやり方・効果」について解説してきました。
この記事の要約として、リスニング力・スピーキング力を効率よく伸ばすために
- リピーティング
- オーバーラッピング
- シャドーイング
の順番で、少しずつ難易度を上げて練習するのが一番おすすめです。
また今回紹介したのは、英語初心者の方向けの教材ばかりなので
まずは一つ選んでみて、実際にリピーティングに挑戦してみてくださいね。