英語の『従属(従位)接続詞』について徹底解説します。
そもそも従属接続詞という言葉を、初めて聞いた人も多いのではないでしょうか。
英語の接続詞は大きく分けて、従属(従位)接続詞と等位接続詞の2種類があり
どちらも同じ接続詞ですが、英文中で使われる役割には大きな違いがあります。
まずはこの2つの接続詞の違いを明確にして、それぞれ英語の文章中で使われると
どのような日本語訳になるのか、この記事を通じてきちんと理解することが大事。

もしTOEICの勉強をしているという方であれば、よく試験に出る問題があるので
従属接続詞の働きと一緒に、どのように出題されるのかチェックしておきましょう。
(英語の接続詞は2種類ある)従属接続詞と等位接続詞
それでは、まず2種類の接続詞「従属接続詞と等位接続詞の違い」について解説します。
そもそも英語の接続詞とは、単語と単語や文と文を"くっつける役割"をする言葉のこと。
- I like apples and bananas.【⇒接続詞"and"】
- I was tired because I studied hard.【⇒接続詞"because"】
この従属接続詞と等位接続詞という語句を覚える必要はないですが、どのような役割があるかは知っておきましょう。
(対等な関係の文章を結ぶ!)等位接続詞
まず、従属接続詞の解説をする前に「等位接続詞」について解説していきます。
等位接続詞は、名前の通りですが「"等"しい"位"の言葉を"接続"する言葉」のことです。
- I can speak English and Japanese.【⇒接続詞"and"】
- Do you like Sushi or Tempura?【⇒接続詞"or"】
- I don't like dogs but I like cats.【⇒接続詞"but"】
例文で言う「EnglishとJapanese」や「SushiとTempura」のように、等位接続詞で結ばれた2語は対等な関係になります。
ちなみに3つ目の例文は「I don't like dogs(私は犬が嫌い)とI like cats(私は猫が好き)」が対等関係です。
(and・but・for・or)等位接続詞の一覧表
等位接続詞 | 用法 | 日本語訳 |
A and B | 連結 | AとB |
A or B | 選択 | AもしくはB |
A but B | 対立 | AしかしB |
A for B | 理由 | BだからA |

まず等位接続詞については、シンプルに「2つの単語(文章)をくっつける」と覚えておきます。
接続詞の一つである等位接続詞は、従属接続詞に比べると種類が少ないので覚えやすいです。
上記のような用法で、前後に来る単語(もしくは文章)を平等に結ぶつける役割があります。
(おまけの文章をくっつける)従属接続詞
それでは今回、問題となる「従属接続詞」について解説していきましょう。

まず従属接続詞の"従属"とは「他のものの下につき従う・他の支配を受けている状態」のことを言います。
等位接続詞の場合は「A 等位接続詞 B」のAとBは対等の関係ですが、これが「A 従属接続詞 B」になると
Aで大事なことを言っている(Bはあくまで補足説明)という、従属関係が出来上がります。
She lived in the United States when she was 17.
「彼女が17歳の時、アメリカに住んでいた。」
I didn't eat lunch because I had stomachache.
「腹痛だったので、私はランチを食べなかった。」
If it rains tomorrow I will not go to school.
「もし明日雨が降れば、私は学校に行かないだろう。」
例えば①の英文ではwhenが従属接続詞なので、
(A)大事なこと:私はアメリカに住んでいました。
(B)おまけ情報:彼女が17歳だった時に
という関係が成り立ちますし、②の例文であれば
(A)大事なこと:私はランチを食べなかった
(B)おまけ情報:お腹が痛かったから
のように従属接続詞より後の部分は、補足説明をするために役割しか持っていません。

(上下関係がある)主節と従属節について
この「A 従属接続詞+B」における、メインで伝えたいこと(A)を主節と言い(B)を従属節と言います。
この主節と従属節は上記の例文①や②のように「A⇒従属接続詞+B」という順番のケースもあれば
「従属接続詞+B⇒A」のように、文頭から従属接続詞が登場して"おまけの説明をする"ケースもあります。
ですが、どのケースでも主節(A)がメインで、従属節(B)はサポートという上下の関係が成立するので
話し手にとっては従属節(B)よりも、主節(A)の方が「大事なこと(伝えたいこと)」だということです。


日本語でも上記のような例文があれば、質問に対して「今日は7時に起きた」という発言が主節で
補足で言っている「用事があったから」が従属節で、"伝えたいこと+おまけ情報"という関係が成り立ってます。
(一覧表・覚え方を紹介)副詞節をつくる従属接続詞!
このように従位接続詞によってつくられた、補足情報の文章のことを(従属節もしくは)副詞節と言います。
副詞節は日本語でも"添えことば"と言うように、追加で付け加える「余計な文章」と覚えておきます。
(~する時)時を表す従属接続詞
接続詞名 | 日本語訳 |
when~ | ~する時 |
before~ | ~する前 |
after~ | ~した後 |
since~ | ~して以来ずっと |
until~ | ~するまで |
while~ | ~する間 |
once~ | 一旦~すれば |
この「副詞説をつくる従位接続詞」についてはいくつか種類があり、"訳仕方"でカテゴリ分けされます。
まず(~する時・~する間のような)時間に関係する、よく出てくる副詞節をまとめてみました。
I have lived in Japan since April of this year.
「私は今年の4月から、日本に住んでいます。」
I often played baseball when I was a student.
「私は学生の頃、よく野球をしました。」
上記の例文であれば「今年の4月から(since April of this year)」と「学生の頃(when I was a student)」が
主節に関する"おまけの説明"をするための、副詞節(=従属節)になります。

(もし~なら)条件を表す従属接続詞
接続詞名 | 日本語訳 |
if~ | もし~なら |
unless~ | ~でない限り |
続いて(「もし~ならば、~である。」のように)条件を表す従属接続詞について紹介します。
If it rains tomorrow I will not play baseball.
「もし明日雨が降れば、私は野球をしないだろう。」
Unless you get up now, you'll be late.
「今起きなければ、遅刻しますよ。」
"if"のような従属接続詞を使って、ある条件・仮定の時にどうなるか説明する時に使います。

(副詞節の中)未来のことも現在形
If it rains tomorrow I will not play baseball.
「もし明日雨が降れば、私は野球をしないだろう。」
例えば先ほど紹介した上記の例文ですが、主節【I will not play baseball】は未来のことを書いています。
なのに【If it rains tomorrow】の"rain"は、未来形ではなく現在形で大丈夫なのでしょうか。
ここで大事な公式が「時・条件を表す副詞節の中では、未来のことでも現在形を表す」です。
If she comes tomorrow we will go for a picnic.
「もし彼女が明日来れば、私たちはピクニックに行く。」
「we will go for a picnic(私たちはピクニックに行く)」というのは、未来で起きる予定の話ですが
従属接続詞の"if"で囲まれた副詞節「If she comes tomorrow(もし彼女が明日来れば)」の中は、現在形が使われています。

問Ⅰ:If she ( ) tomorrow we will go for a picnic.
選択肢A:will come
選択肢B: comes問Ⅱ:If she comes tomorrow we ( ) for a picnic.
選択肢A:will go
選択肢B:go
TOEICで問題として出題されるときは、上記のように「主節の中の動詞」と「副詞節の中の動詞」の
どちらも出題されるケースがあるので、現在形か未来形か間違えないようにしましょう。
(~だから)原因・目的を表す従属接続詞
接続詞名 | 日本語訳 |
because~ | ~だから |
so that~ | ~のために |
次に(「理由は~だから」のように)原因を表すことが出来る従属接続詞について紹介します。
I didn't go to school because I caught a cold.
「風邪をひいたので、私は学校に行かなかった。」
このように主節の事実(=学校に行かなかった)に対して、"原因(理由)"を説明する時に使えますね。
また従属接続詞「so that~」を使うと、主節の事実を行った"目的"について説明できます。
He works hard so that his family will live happily.
「彼は家族が幸せに暮らせるように、頑張って働きます。」
(~と同じ)比較を表す従属接続詞
接続詞名 | 日本語訳 |
as ~ as A | Aと同じくらい~ |
A than~ | ~よりもA |
続いて(「~と同じくらい・~よりも」のように)比較を表せる従属接続詞を見ていきましょう。
I speak English better than I write it.
「私は英語を書くより、話す方が上手いです。」
意外と知られていないですが、比較級で出てくる"than"は「接続詞」です。
ですので「I am taller than he.(私は彼よりも背が高い。)」という英語の文章は
"私は背が高い"が主節となり、"彼(の身長)よりも"というのがおまけの説明になるわけです。
(とはいえ)譲歩を表す従属接続詞
接続詞名 | 日本語訳 |
though~ | ~だけれども |
although~ | ~だけれども |
最後に紹介するのが(「~だけれども」など)譲歩に関する従属接続詞を紹介します。

He walked home though it was raining.
「雨が降っていたのに、彼は歩いて帰った。」
though・althoughが使われている文章は「たとえ~でも、~する。」と覚えておきましょう。
(that・if・whether)名詞節をつくる従属接続詞とは
ここまで"副詞節をつくる"従属接続詞について解説してきましたが、従属接続詞には
「~ということ」のように、名詞のかたまり(=名詞節)をつくるものもあります。
種類は少ないですが同じ従属接続詞なので、一緒にチェックして置いてください。
(~ということ)thatで名詞節に
まず従属接続詞のthatを使うと、主語や目的語で使える名詞のかたまりを作ることが出来ます。
It is true that he did not come to school.
「彼が学校に来なかったのは事実です。」
従属接続詞がthatで「that he did not come to school」が"名詞節"ということですね。
(~かどうか)if・whetherで名詞節に
I don't know whether he is home or not.
「彼が家にいるかどうか、私は分からない。」
従属接続詞thatを使うと「~ということ」という名詞のかたまりをつくると解説しました。
それに対してif・whetherを使うと「~かどうか」という名詞のかたまりを作ることが出来ます。

こちらも名詞節なので主語になることもありますし、例文のように目的語になることもあります。
(英語の従属接続詞まとめ)最後に練習問題を解こう
従属接続詞について(等位接続詞との違いなど)詳しく解説してきました。
最後に練習問題を用意しましたので、是非挑戦してみてください。
確認問題
空欄に入る語句を、選択肢から選んでみてください。
①If the company is closed, I ( ) to the amusement park.
「もし会社が休みになったら、私が遊園地に行く予定です。」
A:will go
B:go
②If you ( ), she will go home.
「もしあなたが結婚したら、彼女は実家に帰るでしょう。」
A:will get
B:get married
回答チェック
①A ②B
解説授業
TOEICでよく出る「時・条件に関する従属接続詞」に関する問題でしたね。
「時・条件を導く副詞節の中では、未来のことも現在形」と何度も復唱して覚えておきましょう。
今日の授業はここまでです、ご覧いただきありがとうございました。